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お米「八十八」のまとめ

「米」と言う字は八十八の手間をかけて作られた事に由来します。
  
 昔の、農作業と現在の農作業とをまとめて見ました。自然農法での農
作業も含めてあります。
 
八十八の手間をまとめて見ました。
 
 1・抜き穂 =田んぼの中から来年の種子を採取するため、異種種の疑
   いのある穂を抜きます。
 2・採  種=種にする籾をほ場から収穫します。
 3・唐箕選 =採取した種籾を唐箕(とおみ)」にかけ、選別します。
 4・のげ取 =稲の籾にある芒(ぼう)を取り除く。
 5・塩水選 =種籾を比重1:14の食塩水に付け、浮かぶ籾を取り除き、
  良い籾だけを選別します。
 6・水  洗=塩水選で塩水に浸した籾を水で十分洗います。
 7・種子消毒=一般栽培では、農薬に塩水選した種を浸して、馬鹿苗
  病、籾枯細菌、イモチ病の予防を行います。自然農法では、温湯浸法
  と言って、温湯に種籾を浸けての防除を行います。
 8・浸  種=発芽には100度の積算温度が必要なので7~10日水
  に浸します。水は毎日交換して、酸素欠乏を防ぎます。
 9・催  芽=浸種した籾を風呂に浸け(35℃位)発芽させます。鳩胸
  状態にするのが良い苗を作るコツです。
 10・育苗土 =育苗土の準備、最近は、市販の消毒済みで肥料が
    入った物を使うのが多くなっています。自然農法では,ほ場や、山の霜
   崩れの土を篩い(ふるい)にかけて、育苗土を作ります。

 11・育苗土消毒=苗立枯病の予防に育苗土に農薬を混ぜる。自然農
   法では、菜種粕液肥などを使います。
 12・育苗土施肥=育苗土に肥料を混ぜます。
 13・苗箱の消毒=苗立枯病の予防に苗箱を塩素系の殺菌剤で消毒
   します。自然農法では、省略します。
 14・播 種  =種籾を苗箱に播き、覆土します。
 15・新聞紙貼り=苗箱に新聞紙を被覆します。
 16・苗代作り =苗代田に水を溜め、約3週間置いて耕し、苗代を作る。
 17・苗箱並べ =苗代に苗箱を並べる。
 18・保温資材被覆=苗箱並べが済んだらその上に新聞紙、有孔ポリ
   などで覆う。
 19・カラスの害対策=カラスの害を防ぐ為、糸などを苗代の上に張る。
 20・育苗管理 =発芽が5cm位になれば、新聞紙、有孔ポリなどをと
   り除く。その後、水が涸れないように、水管理をする。

 21・苗 追 肥=苗の生育の為、液肥を苗に散布します。
 22・苗の防除 =苗にも苗立枯病、イモチ病になる場合があるので、薬
   剤散布をします。自然農法では、健苗育成に努め、農薬は使用しません。
 23・耕起(1回目)=稲刈りが済むと直ちに、田んぼを耕耘しイナワラを
   ほ場に鋤きこみます。 
 24・豆殻を散布=転作で栽培している大豆の茎葉は良質な有機肥料
   です。大豆、小豆などのからは、田んぼに積極的に還元します。
 25・堆肥 運搬 =前年の秋に作っていた山野草の堆肥(のり面の草)
   を ほ場へ運びます。
 26・堆肥 切断 =ほ場に運搬した山野草の堆肥を刈払機やカッターで
   小さく切断し、ほ場に鋤き込みやすくします。
 27・堆肥 調達 =山の腐敗土、近隣の畜産農家の堆肥などを調達し、
   良質有機物を田んぼに施します。
 28・耕起(2回目)=トラクターで耕耘し、堆肥をほ場に鋤き込みます。
 29・溝 上 げ =水溜の時、水が田んぼに早く回るように、畝たて機
    (うねたてき)で田んぼに溝をほります。
 30・畦草 草刈 =水溜をする前に、田んぼの畦(あぜ)及びのり面側
   の草を刈ります。

 31・溝 掃 除 =雨水をため池の入れる為の水路を集落あげて行う。
 32・水 溜 め =雨が降ったら田んぼに引き込んで、トラクターで耕耘
   し水溜をします。トラクターで2~3回耕耘し、水持ちを良くします。
 33、畦 塗 り =田んぼから水漏れを防ぐ為、クワで畦塗りをします。
 34・元肥 散布 =元肥を散布します。自然農法では、元肥には菜種
   粕、米糠等を施肥します。
 35・代 掻 き =散布した元肥を土に混ぜるとともに、田んぼを均一
   にする為、代掻き(しろかき)ロータリー耕をします。
 36・苗 取 り =苗代から苗箱を取ります。昔は、苗を1本1本手で
   取って、束ねて田んぼに運んでいました。
 37・苗 運 搬 =苗代から取った苗を運搬機で田んぼに運びます。
 38・苗箱 施用 =田植前に殺虫剤、殺菌剤を苗箱に散布します。勿論
   自然農法では、行いません。
 39・田 植 え =田植え機で田植えします。昔は、田植え機がないの
   で、手植えでした。束ねた苗を投げ込み、1本1本手で植えていました。
 40・補 植 え =機械でうまく植えられなかった所、欠株の所に手で植
   え直して行きます。(実は少々の欠株は、稲の収穫に影響がありません)

 41・苗箱 荒い =苗箱を洗います。
 42・除草剤散布 =田植え後7日目位に除草剤を散布します。私共の
   自然農法では、ここで除草剤を1回だけ使用させて頂きます。アイガモ
   を放飼するアイガモ農法もあります。
 43・除草機押し =除草剤を使用すると手取り除草はほとんど不要です。
    自然農法では、除草機を2~3回押します。
 44・手取り除草 =除草機を押してもやっぱり草が残ります。最後は手
   による人力除草です。
 45・追  肥  =6月の分けつ肥・7月追肥・8月穂肥を2回実肥を4~
   5回追肥します。
 46・穂  肥  =
 47・穂  肥  =自然農法では、ペレット状の有機肥料を散布します。
 48・防  除  =4~5回本田に農薬を散布して、病虫害を防ぎます。
    自然農法では、農薬の代わりに木酢液を散布する事があります。
    (病虫害を防ぐ波動調整をする)
 49・水 管 理 =田植え後出穂までは水を切らさないよう深水管理、出
   穂後は、間断かん水の水管理をします。(これが意外と大変なのです。)
 50・揚  水  =日照りが続くと、水不足になります。水持ちが悪い田ん
   ぼはポンプで水を汲み上げます。 

 51・悪水 除去 =大雨が降ると必要以上の水が田んぼに入ったり、畦畔
   が崩れたりします。大雨の時は大水が田んぼに入らないようにします。
 52・畦草刈り =田んぼの管理と病害虫抑制の為畦草を2~3回刈ります。
 53・畦草刈り =田んぼの管理と病害虫抑制の為畦草を2~3回刈ります。
 54・畦草刈り =田んぼの管理と病害虫抑制の為畦草を2~3回刈ります。
 55・ヤネ刈り =7月中旬に再度田んぼの、のり面の草を刈ります。
 56・草  刈 =採草地、田んぼの、のり面の草を刈ります。
 57・草 束 ね=-刈った草は数日そのまま乾燥させておき、束ねて、のり
   面 に重ねておきます。これが来年の米作りの堆肥になります。
 58・のり面の管理=のり面にススキなどが生えるのは良いのですが、クズ
   や木が生えると草刈作業が大変なので、こまめに抜いたりします。
 59・溝 切 り =排水の悪いほ場では、田んぼに鍬等で溝を掘ります。
 60・落  水  =稲刈りの20日位前に、落水します。落水は、田んぼに
   水の出口を掘って行います。 

 61・抜き 上げ =落水の時、排水の悪いほ場では、稲株を堀上げて、排
   水溝を作ります。
 62・ヒエ 取り =ヒエの穂が出てきます。ヒエは種が田んぼに落ちると大
   変ですので、ヒエの株を鎌で切り取ります。
 63・猪  害よけ=猪よけをする。
 64・雀  害よけ=稲穂が実ると雀がやってきます。案山子(かかし)や
    ピカピカ光るテープを張ります。
 65・稲 刈 り =昔は、鎌または、バインダーで稲を刈りました。天日乾燥
   しむしろで干し、それを脱穀機で脱穀していましたが、今はその行程をコン
   バインの一行程で完了します。
 66・ホギ 作り =
 67・脱   穀  =
 68・籾 運 搬 =コンバインで刈った籾は運搬車や軽トラックで乾燥機
   の所まで運びます。
 69・乾  燥  =収穫した籾の水分が15%位になるよう乾燥機で乾燥
   します。15%に乾燥する理由は、虫害の防止、籾摺りしやすくする為、そ
   して米の検査基準があるからです。
 70・籾 摺 り =乾燥した籾を籾摺機にかけて。籾殻を取り除き、玄米
   にします。

 71・米 選 別 =籾摺した籾を米選機にかけて、未熟米を除きます。
 72・計  量  =選別した精玄米を米袋に詰めます。30kgの紙袋に入
   れます。
 73・出  荷  =出来上がった米袋を出荷して検査を受けます。
 74・保  管  =米は常温で保管すると、翌年の梅雨明け以降に食味が
   大きく変化します。その為低温貯蔵庫で保管し新米の食味を維持に努め
   ています。
 75・精  米  =直接消費者の皆様方にお届けするお米は、玄米を精
   米機にかけて糠を取り除き、白米にします。
 76・石 抜 き =時には、米の中に異物が混入する事があります。石抜
   き機で小石や異物を除去します。
 77・焼きずくも =籾摺り後に出る籾殻を焼いて燻炭(くんたん)にします。
 78・畦 落とし =水溜の時塗った畦をスコップや畦切り機で落とします。
 79・畦畔シート除去=畦に使ったシートを除去します。」
 80・田面の均平化 数年間稲作りをしているうちに、ほ場の外側が高く
   なったりします。低い所の土を高い所から運びます。 

 81・暗渠の整備 =ほ場の排水を良くする為、暗渠(あんきょ)は毎年掃
   除しないと機能を十分発揮できません。田んぼに溜まった泥を鍬であげ
   ます。
 82・土手の草刈り=溜池や土手の草刈をします。
 83・機械の整備 =使用した農機具はその都度、きちんと整備して置か
   ないといざと言う時に不都合が生じます。
 84・機械の点検 =冬場でも時々エンジンなどをかけ点検をしておきます。
 85・記  録  =作業の実施状況、水田の管理、作柄、経営の記録を
   つける事は大切な事です。
 86・栽培技術の研鑽=栽培講習会に参加したり、栽培技術の高い農家
   の視察などをし、常に美味しい米作りを目指します。
 87・販売 宣伝 =販売ルートの確立と美味しい米の試食会などを開催
   します。
 88・米 作 り =米作りは人作りにつながります。日々自然に学び・人
   に学び・土に学びます。